誕生から衰退まで

アンティークコインに魅せられる人が多いのは、古代の歴史がそこに刻まれているからでしょう。アンティークコインの始まりは紀元前7世紀です。現在のトルコ西部にあたるイオニア地方のリディアで作られました。当時の素材は金と銀の自然合金であるエレクトラムで、獅子の頭がデザインされた世界で最初のコインです。

こうして誕生した通貨は、後に勃興する都市国家の貨幣経済に大きく影響を及ぼします。その後、ヨーロッパ各地の都市国家はローマ帝国により次々と制圧され、ローマはその領土を大きく広げていきます。そのため、当時発行したコインは今も旧ローマ領土内で発掘され続け、往時の勢いを改めて思い知らされるものとなっています。

しかし、ローマ時代もついに終焉を迎えます。大国の衰退は暗黒時代の訪れを告げるものでした。この暗黒時代のコインは製造技術までもがお粗末で、当時の停滞した時代が垣間見えるようです。その後、ルネッサンス期を経て、フランス革命が起こった頃から貨幣の製造技術の近代化が進み、アンティークコインの全盛期を迎えます。為政者の肖像がデザインされ、コインも大型化し見栄えの美しいものが多く作られたのです。しかし経済発展が進むと、通貨の単位も大きくなっていきます。そして単位の大きい紙幣に主役を奪われていき、アンティークコインの時代は終わりを告げたのです。